第37回勉強会をオンラインで実施しました。
今回は、日本音楽療法学会誌vol.23/No.1 2023の「音楽療法の基礎理論・背景理論を語るーその有用性と限界-」を読んでの感想や意見を出し合いました。
文献の内容は、7人の音楽療法士の先生方が諸理論(精神分析、人間学的心理学、行動理論、コミュニティ音楽療法、神経学的音楽療法)について座談会形式で議論したものです。それぞれの先生方は大学で教鞭を執られていたり、現場の第一線で働かれている方々です。
勉強会では、この座談会の内容と実際の日本の音楽療法現場との乖離はどうしておこっているのか、という事を中心に話し合われました。
座談会の内容を見る限り、どの理論も詳しく語られ、有用性と限界または各理論が重なるところなどがわかりやすく議論されていました。しかし実際の現場でそれらの理論をしっかりとベースにして実践されているところはあまりないように感じるという感想があがりました。
このような乖離は、それぞれの音楽療法士の資質によるのではないかという仮説が上がりました。我流のみで現場を回してきた人もいれば、諸理論を軸に考えられるトレーニングを受けてきた人もいたりと、現時点では様々なセラピストがいます。勿論個人の資質もあります。それらを考慮しても、ある一定の質を目指せるカリキュラムもまだ定まっていない現状も大きいのではないでしょうか。
様々な事柄が複雑に絡み合っている現在の状況、どう後進を育てていくか、自分自身はどうあるべきかを考えさせられる時間となりました。