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2025/7/7 第58回勉強会を実施しました〜セラピーにおける音楽の文化的側面〜

  • 執筆者の写真: ミュージックセラピー サイコ
    ミュージックセラピー サイコ
  • 7月11日
  • 読了時間: 2分

【内容】:読書会 「精神保健及び教育分野における音楽療法」より第17章「セラピーにおける音楽の文化的側面」(ルース・ブライト)



  • 「幸福な気分」にまつわるアジアの伝統的な音楽を聴いて、欧米の被検者がどのような感情を想起するのかという実験に関する記述が文献中にありました。その中に1曲、日本の結婚式の曲が入っており、おそらく雅楽だろうという予測から、しばらく雅楽についての話がはずみました。


  • 上記の話から展開し、ノードフ・ロビンズ音楽療法でよく言及される「ベーシック・ビート」に話が及びました。ノードフ・ロビンズ音楽療法の考え方では、子どものベーシック・ビートが安定あるいは柔軟になる方向へ導くことで、音楽と子どもの内面の発展につなげます。しかし、この概念はサイコダイナミックなアプローチのメンバーにはなじみのないものでした。留学中の資料を参照しながら概念を共有し、セッションにおける自身の考え方や基準を再認識する機会となりました。


  • 拍感の共有は音楽療法のセッションの中でしばしば行われますが、この「拍感のある/ない」という状態も実はさまざまです。例えば、①しっかりした拍感があって自分でテンポキープができる状態、②しっかりした拍感が提示されればそれにのることができる状態、③拍感が提示されてものれない状態、といった違いがあります。そして、③に関しては拍感だけの問題ではなく、音楽を感覚的にまとまりでとらえる「チャンキング」の能力と関係しており、部分だけに注目して全体を感じ取りにくい自閉スペクトラム症の人の困難さも、ここと関係しているのではないかと議論が展開しました。


  • 拍感が強いか弱いかは、文化差というよりも個人差(これもミクロな文化差かもしれませんが)によるものだと思われます。この話から発展して、それぞれがセラピストとして音楽的にどの要素(拍やリズム、和音など)を意識的に使っているかという話にも及びました。

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