内容:内容:読書会 「分析的音楽療法とは何か」(メアリー・プリーストリー著、小平孝子他訳)より第8章「転移と逆転移」を読み、話し合いをしました。
・分析的音楽療法(以下AMT)は、メラニー・クラインの対象関係論を元にメアリー・プリーストリーが開発したものです。日本にいるAMT資格取得者は、ほとんどがニューヨーク大で教えていたベネディクト・スカイビーから学んでいます。
・AMTでは即興演奏をしてからそれについて話し合うことが多いですが、クライアントが子どもの場合、まだ洞察することが難しいので、何かのイメージを表すような即興や、場面設定してその役割で即興したりもします。それにより、自分の内的対象との関りとは違う関わりを体験し、「こういう人もいるのだ」と実感することを通じ、その子の転移的反応が軽減されていきます。」
・内的対象」とは何か:その人の存在が、現実に作られる過程で関わってきている重要他者。両親が多い。(アニメのスーパーヒーローなどは内的対象になるのか?→スーパーヒーローが傷ついても、自分自身の内面にダメージは受けないので、内的対象ではない。) また、成長することとはおそらく、内的対象、内的体験の受け止め方の拡がりなのだろう(違う見方でとらえたり、違う反応で応じられるようになったりする)。セラピーとは、それによってそれまでの内的体験の受け止め方が変わり得るほどのものなのです!(という今さらながらの再認識も含めて)
・転移感情は、1対1で寄り添ってもらえるセラピー空間の中で起こりやすいです。でも、1対1でなくてもどこでも起こり得るものです。
・日々の音楽療法セッションにおいて:クライアントの感情の流れに焦点を当てるだけでなく、同時にセラピスト自身の心の奥の感情を意識することも大切です。セッション中同時には難しいが、振り返り・記録の時に、セラピスト自身の感情も丁寧に見ていかないと、転移や投影が起きていることに気づかないこともあるでしょう。転移と投影も区別しにくく、きれいに線引きはできない。きっとこのあたりは、一生考え続けていく必要があるのでしょう。
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