第15回勉強会も、引き続きオンラインで実施しました。斎藤孝由先生の「音楽療法の今日的課題」(日本芸術療法学会誌 vol.49 No.1 2018)を読み、その内容を出発点に話し合いました。
1)主客非分離の状況についての話から
即興の中で「つながる」ことへの日本における当初のハードルの高さは、その人の「役割」が「個」より優先されがちな社会状況にも関係するのではないか?「私」だけでいることに不安になるのかもしません。だから特にグループセッションの場合は、「先生―生徒」関係を出したほうが、クライアントにとって最初は入りやすいように感じられる。あるいは、自分を表現するという経験の少なさによるのかもしれない。何をしてもしなくてもokの空間であることがわかれば、徐々に皆自分を出し始め、「個―個」関係になっていくことが多いかもしれない、という話がでました。
主客非分離の感覚については、一瞬お互いが静止したまま繋がったように感じる感覚や、いっしょにしばらくの間流れているような感覚などいろいろあります。それは、北山修先生の言う、「二者言語」のようなもので、第三者にはわからないことが多いが、二者の間で共有されたこと自体がとても嬉しい感覚なのではないでしょうか。
2)「場」の大切さ
関西大学大学院心理学研究科の串崎真志先生が言っていた「『場』自体が調っていることが大事」「『場』が支えてくれる」という考え方の紹介がありました。
話し合いの過程で、木村敏先生の「あいだ」、あるいは阪上正巳先生の「臨床音楽学」を読んでみたいという話になりました。
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